トライボロジー:機械システムの効率性と耐久性を支える科学
トライボロジーは、二つの材料が接触した際に生じる現象を研究する科学分野です。特に、潤滑の有無にかかわらず発生する摩擦および摩耗のメカニズムを対象とします。その応用範囲はきわめて広く、航空宇宙、医療、輸送、公共インフラ、重工業、さらには日常生活の製品に至るまで多岐にわたり、求められる要件もさまざまです。
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日本のトライボロジーラボ:
ナノコート・ティーエス
トライボロジーラボは、弊社石川事業所内にあります。表面改質・材料・トライボロジーのスペシャリストがお客様の問題解決のための受託試験・受託分析サービスを提供します。また弊社グループ本社であるフランスHEF 社が参画するICE-T(エンジントライボロジーイノベーションセンター)での各種エンジン試験も可能です。
<トライボロジーラボの業務内容>
★ 最適表面処理・被膜材質選定のためのトライボロジー試験受託
★ 表面処理トラブルの原因調査・不良解析
★ 品質管理特性(膜厚分布・工程能力など)の調査
★ 要求仕様に適合する表面改質処理・被膜材質の開発
<主な保有設備とサービス内容>
●ラボスケールトライボメータ 基礎実験用 摩擦摩耗試験機 AP TRIBOMETER
●工業用トライボメータ 多目的 摩擦摩耗試験機 HEF TRIBOMETER
●非接触 表面粗さ/表面形態測定 白色干渉顕微鏡
●非破壊・非接触 DLC 膜厚測定 分光干渉式DLC 膜厚計
●表面清浄度/仕事関数 測定器 コロナサーフ
●樹脂離型力 測定試験
●コーティング不良解析サービス
ご存じですか?
摩擦が存在しない機械システムはきわめて稀です。
地上から約400kmの軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)でさえ、上層大気中のわずかな分子による微小な摩擦の影響を受けています。そのため、定期的な燃料噴射によって軌道を維持することが必要です。
トライボロジーでは特定の機械システムの効率性、耐久性、運用安全性といった理由から、摩擦や摩耗の低減が重要な課題となりますが、摩擦は必ずしも排除すべき現象ではありません。摩擦がなければ、物を持つことも、建造物を築くことも、航空機を飛行させることも不可能です。
一方で、転動・摺動部品においては、摩擦は摩耗の主な原因となります。適切な潤滑で摩耗の進行を抑えることはできても、完全にゼロにすることはできません。
1953年、工学・技術系の国立高等教育機関(エコール・サントラル)出身のジャック=ジャン・コーベは、製紙機械における早期摩耗の問題を解決するため「サンテティエンヌ機械・流体機械・摩擦研究センター」(Centre Stéphanois de Recherches Mécaniques, Hydromécaniques et Frottements)を設立しました。この研究センターが、現在のHEFグループの原点です。
トライボロジーに熟練した広い専門知識
トライボロジーは、摩擦が生じるきわめて多様な条件を対象とします。
HEFは、金属、ポリマー、セラミックスなどの各種材料、およびオイルやグリースなどの潤滑剤に関する専門知識を有し、以下のような幅広い条件に対応しています。例えば、”10–5mbar~35barの圧力、-200℃~+700℃の温度、気体・液体環境、数十 m/sに及ぶすべり速度などが挙げられます。
さらに、接触形態、荷重タイプ、表面特性(硬さ、粗さ、化学組成、形状的または構造的欠陥、潤滑剤との親和性など)も考慮する必要があります。
一般に、トライボロジーの問題には100を超えるパラメータが関与します。
HEFは当社チームの専門知識とマルチスケールのデジタル解析・実験設備を活用し、課題を包括的に分析し、最適なソリューションをご提案いたします。
方法論的アプローチ
トライボロジー解析は、お客様から持ち込まれた不具合部品の分析から始まることが少なくありません。
劣化メカニズムを特定した上で、設計変更、材料変更、表面処理の最適化など、システム全体を考慮した改善策を検討します。
その後、代替案の性能を評価・検証するための実験段階へ進みます。 当社はさまざまな試験手法を備えるとともに、必要に応じて専用試験機を設計・開発します。この実験段階の目的は、お客様の実環境と劣化現象を可能な限り忠実に再現することです。
また、お客様側のエンジニア、技術者、材料専門家向けに、トライボロジー問題の複雑性、部品やシステムへの影響、解決のための具体的措置についてのトレーニングコースもご提案しています。
